《難攻不落》っ!!!　トーキョーNOVA the Detonation リプレイ 魔術争乱“疾くはしりて 患うがごとし”

UR： 「………」静寂に、包まれる部屋の中、自らが立てる衣擦れの音が妙に大きく響く。
UR： その男の髪を、指で掻き上げ、顔を確かめる。　――苦渋――　その顔にはそれが刻まれている。

UR： 　――其の心を蝕む記憶は何ぞ…？――

UR： そっと
UR： 唇を重ね、体温を確認する。

アゼル： 「―――…」表情が、僅かに軟らかくなる。 体温は異様に高い。

UR： そのまま、おでこを重ね、熱を伝わせる。自らの熱は低く　――そう人ならば異常なまでに低く、男の熱を下げるには丁度良い。
アゼル： 汗の湿りが、ある。その冷えからか、身体を振るわせる―――…だが、表情は幾分かましになる。

UR： 「何を苦しんでおるか」掠れるような小さな声。この距離ならばそれで充分だと言わんばかりに。秘め事を伝えるように囁く。


RL伏見堂： その声が風に乗る。そう―――風に。
RL伏見堂： わずかに―――…いつの間に開けられたのだろうか、窓が開いている。

RL伏見堂： その風に乗る気配はひどく懐かしい―――神代の頃のにおいを孕んでいる。
UR： 視線を窓へと向ける。……否、窓は開いてなどいなかった

UR： 窓は開いてなどいなかった。
UR： 男へと預けていた躯を上げ、窓へと躯を向ける。

UR： 　　楽園の記憶

RL伏見堂： 窓の外には―――風に乗って、饐えた気配が混ざっている。

UR： 　　　　風が駆け抜けていく草原

UR： 　　　　　　空は澄み、鳥たちが羽ばたく

UR： だがそれは幻想だ。