《難攻不落》っ!!! トーキョーNOVA the Detonation リプレイ“地獄門- Hell's Gate -”
シーンカード:アヤカシ(倦怠)
メインキャスト:勇
舞台:ツインエッジ オフィス
RL揚: いつも通りの仕事風景。皆が事務仕事をしている中、 あれでも意外と働き者なのか、はたまた勇が信用できないと自分でやっているだけなのか──
RL揚: モルゲンステルンの姿も、ある。
RL揚: 代表でありながら実質実働部隊である勇には、依頼の無いときは非常に暇である。
RL揚: モルゲンステルンの仕事は勇たちのマネージメント──彼が暇なのはある意味モーの責任でもある。
RL揚: 彼女は現在、イリアに口述筆記をさせながら仕事のスケジュールを立てていた。
RL揚: モー「No.23の案件は来週から開始、24はその3日後──って事は、緊急の件が入らなければ今週はフリーね。」
RL揚: ──表向き、彼女はアレから、出て行くということも無く。
RL揚: 契約は切られてしまったままだが、ここに残って、こうして仕事を手伝ったりしてくれている。
RL揚: ──だが
RL揚: あの時から、彼女はどこか変わった。
勇: その様子を、読んでいた魔術書から視線のみ動かして、見る。
RL揚: モー「ふぅ──今日はこの位かしら。 いっそサロンに営業にでも行こうかしらね。」
RL揚: などと、本気とも冗談とも付かぬ台詞をはいている。
RL揚: カタン、と椅子から立ち上がり、帰る準備を始めた。
勇: 「ああ、出かけるなら付き合うよ。俺、手あいてるし」
勇: そう言って、自分も立ち上がろうとする。
RL揚: モー「ん?あぁ、今日はもう帰るだけよ。仕事も終わったし。」
RL揚: ──これも。数ヶ月前までは逆だった。
RL揚: ──自分が仕事を終えたら、待ち構えていた彼女が誘いに来る。──来ていた。
勇: 「なら、一緒に帰ろう。いいお店見つけたんだ。ちょっと見ていこうよ」口実は何でもいい。とにかく、彼女との間に感じる距離を、縮められさえすれば
RL揚: モー「ん〜………ごめん、今日はパス。イリヤが一人で難儀してるってさっき聞いたから早く帰らないと。」
RL揚: ………別に、寄り道してくる間くらい、何でもないはずだ。事実、前まではそうだったのだから。
勇: 「……………。そう……か。うん、そうだね。頼むよ」
RL揚: モー「ん。じゃぁ帰るわね。」
勇: 「ん。お疲れさま」
RL揚: モー「じゃぁ、また後で。」
勇: 「………ああ、後で」
RL揚: とことこと、彼女は部屋を出て行く──
RL揚: と
RL揚: 彼女の姿が、 ちらついて見えた。
勇: 「……??」
勇: まばたきをする。
RL揚: 陽炎の様に薄く、煙の様に希薄に。 一瞬後には元に戻る。
勇: (………?気のせい、か?)「モル姉」
RL揚: モー「ん、何?」
RL揚: 今しも外に出ようとしているところで彼女が振り返る。
勇: その姿を、見つめる。
RL揚: 何時もと変わらぬその姿──だが、その氷蒼の瞳は、酷く冷たく見えた。
勇: 「………。いや、帰りが少し遅くなるかもしれない。少し、調べ物があるの、思い出した。そう言おうと思って」
RL揚: モー「?そう。 分ったわ。皆にも伝えとく。」
勇: 「うん、たのむよ」
勇: ────漠然とした、違和感を感じるここ数日を、思い返す。
勇: ────シャツのボタンを掛け違えたかのような、定まりの悪さ。胸の中で、自分の深い所で、何かがざわつくのを感じる。
勇: ────ぎくしゃくとした関係に対する苛立ちとは、何かが違う気がする。大事な、大事な何かが………。
Illustration:鵜飼とおる氏@MIGRANTS LYRIC
「今回の事で頭来たもん。ゆうが我侭ばかり言うから、あたしも我侭を言う事にしたの。」
そう、ひとをこまらせてこそ、あくまなのだ。
なら、あくまはあくまらしく、いきてやろうではないか。
そうきめた、かのじょは、おとこのまえをさった。
かれがきがつかないうちに。
トーキョーN◎VA the Detonation
───“地獄門 ”───
────かくて、運命の扉は開かれん
ケルブin舞台裏: はりのやまに、ちのいけー