《難攻不落》っ!!! トーキョーNOVA the Detonation リプレイ 魔術争乱“妄りに誕まれ”
シーンカード:カゲムシャ(疑惑)
メインキャスト:武誠
舞台:ヨーシュ=エミリア宅
RL伏見堂: 今、君は、ある屋敷に居た。
RL伏見堂: ビル街の中心にある────…恐ろしくCDな日本家屋。
RL伏見堂: 場違いも甚だしいこの場所は、しかし、ヒトの目に触れる事は無い。
RL伏見堂: あらゆる人間・アヤカシの知覚から、ほんの少しずれたココは、故に誰にも知られる事は無く、ただソコにあった。
RL伏見堂: 時刻は昼過ぎ。常春のN◎VAにおいては、実に心地よい時間帯だ。
RL伏見堂: 君の隣には君を招いた人物が居る。自らを“贋作者”と呼ぶ人物だ。
RL伏見堂: ヨーシュ「────今日もよき日だな、武誠」
武誠: 「同感です」 物珍しさはすっかり通り過ぎて、今では平然と座しています。
RL伏見堂: ヨーシュ「────…」 庭の水面が、ゆらり、と揺れる。
RL伏見堂: ヨーシュ「武誠。一つ尋ねるが、君は何かね?」
武誠: 世相からすっぱりと切り離されたような大気に、波を作る事無く家主の用向きを待っていた。が、
武誠: 「……何、とは?」
武誠: 質問の主旨が明確でないため、首を捻るように問い返す。
RL伏見堂: ヨーシュ「在り方、というべきか────…」
RL伏見堂: 茶を一口飲む。
RL伏見堂: ヨーシュ「────…カタナ、と見えるな、君は」
武誠: 「そうとも言えます」
武誠: 見た目だけなら、と注釈をつける。
RL伏見堂: ヨーシュ「ならば、戯れに問おう」
RL伏見堂: ヨーシュ「カタナに取って、武器とはなにかね?」
武誠: 「自らの敵を屠り、斃す『力』……呼称は様々ですが、適切なのは、『武力』」
武誠: 「手にしたものを、其れに転換するのが“刀”の生き方…………そう、考えています」
RL伏見堂: 「成る程」
RL伏見堂: そう言うと、家主は立ち上がり、奥の部屋に消える。
武誠: 黙って、それを見送ります。
RL伏見堂: しばらくの時を経て戻ってきた彼の手には、一つの棒が握られている。
RL伏見堂: 「────これを君に託そう」
RL伏見堂: そう言って彼はその棒を君に渡す。
武誠: 「……?」 両手で、丁重に受け取りつつ。
武誠: よくわかっていない顔で、棒のようなものを観察。
RL伏見堂: 重い。片手で持てなくは無いが、扱いが難しいだろう。
RL伏見堂: 刀剣類の柄に、見えなくもない。ただし、刃は付いていないが。
武誠: 「……失礼」 棒を持ったまま、縁側から庭に降りる。
RL伏見堂: 彼はそれを黙って見ている。
武誠: 後に、棒を子細に観察。……棍であるなら、それに適した構えを。飽くまで刀剣に近い形状であるなら、そう扱うように工夫してみる。
武誠: 見たこともない得物をどう扱うのか。それを軽くためすように振り回す。
RL伏見堂: 棍というには短く、柄というにはやや長い。
RL伏見堂: 初見の獲物はあくまでもそれ以上でもそれ以下でもなく────穏やかな空気を切る。
武誠: (槍……? 投擲するならば、このぐらいかも知れないが、矛先がないのは…………??)
武誠: いろいろ考えた挙げ句、答えが出ないので、振り回してみるのを止める。
RL伏見堂: 「判らぬかね?」
武誠: 「わかりません」 正直にきっぱりと答える。
武誠: 「手前の眼には…………武器として、何かが欠けている気がします」
RL伏見堂: 「判らぬことを判らぬと言うのは良いことだ。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥という────」
RL伏見堂: 「しかし、武誠。自分は答えることはできない。それは、君の“生き様-Style-”を決める標となる」
RL伏見堂: 「故に悩み、考え、自分で知ると良い」
武誠: 「……承知」 手にした得物を、ヨーシュさんへ返還。
RL伏見堂: 彼はソレを受け取らない。
RL伏見堂: 「────土産だ、持っていきたまえ」そうして部屋に戻り包みを持って帰ってくる。
RL伏見堂: 「────こちらは芙玉嬢に渡してくれたまえ、菓子を包んでおいた」
武誠: 「……価値を知らぬ者の手に託されては、武器が泣くかと」
RL伏見堂: 「武誠」その言葉に、彼は君の名を呼ぶ。
武誠: 「心遣い、感謝します」 包みを丁重に受け取りつつ、名を呼ぶ声に反応して相手の顔を見る。
RL伏見堂: 「────…男の見せ所だ。そして、“彼”は君に道を示したいと自分に伝えている」
RL伏見堂: 「故に、連れて行ってやってくれ」
武誠: 「道を……」
RL伏見堂: うなずく。
武誠: 「…………覚悟を以って、挑まねばならぬ難題ですな」
武誠: 小脇に挿む形で固定した『得物』を一瞥して、そう言い洩らす。
RL伏見堂: 「────…征きたまえ、武誠」
武誠: 「承知」 答える眼差しは、すでに目の前の問いに挑む構え。
武誠: 求道者たる、面構えになっている。
RL伏見堂: 君のその眼差しを快く受け止め、かつては宝物庫の番人と呼ばれた男は、笑みを浮かべた。
RL伏見堂: ────…Scene End...