“西から来た男”我流西(ガルス)

原画・彩色 揚 紅龍@管理人

我流西「逆位置」
原画・彩色 貘社

プレイヤー:我流西  スタイル:フェイト◎・カブトワリ●・カブト

 

「・・・待ちな。」

カチッ

レッドエリアの寂れたビル街の一角。俺は、交渉を終えビルを出てきたクグツの背中に銃を向ける。

「これは、我流西さん、お久しぶりです。」

クグツは向こうを向いたままで、けれどもさして驚いた風も、慌てた様子も見せずに返してくる。

「奇遇ですな、この様な所で会うなんて。」

「・・・ご託は良い。あんたが脇に抱えてる物、こちらに渡して貰おうか。」

クグツはここでようやくこちらを向き直る。

「それは困ります。私が上司に叱られますから。」

・・・やはり困った風には見えないが。

「それに、これはあなたにとって価値の有る物でもないはずです。」

「価値の有る無しはこちらで判断することさ。ただな、そいつをただのゲーム機と言い張るのは無駄なことだぜ。」

「・・・困りましたねぇ。」

・・・ようやく困ったような表情になる。

「・・・仕方有りません、それでは差し上げましょう。」

と言ってデータクリスを差し出すクグツ。しかし俺はその手を押し返す。

「・・・俺が欲しいのは、本物のデータだ。紛い物は受け取らねぇぜ。」

「・・・流石ですね。この程度の小細工にはかかりませんか。」

「あんたとのつきあい、長いと言うつもりはないが、短いつもりもないんでね。ほら、そっちのアタッシュケースに入ってるんだろ?」

苦笑しながらクリスを渡してくる。

「済みませんが、コピーだけは取らせていただきましたよ。私も手ぶらで帰るわけには参りませんので。」

ポケットロンで中身を確認する。今度こそ本物だ。

「・・・好きにしな。俺は千早もイワサキもどっちが勝とうが知ったこっちゃ無い。ただな、あんたらの喧嘩で迷惑する人間が出てるのが頂けない。今度の事だってそうだ。未だ大人しくしてるみたいだが、そっちにそのつもりが有るってんなら・・・こっちだって容赦するつもりはないぜ。」

「千早に対してその口振り・・・よほどのバックが付いているのでしょうね・・・。」

肩をすくめてやる。

「さぁな。」

やれやれ、と言った感じのクグツ。

「さて、これ以上遅くなると上司に叱られますので、ここらで失礼します。」

俺は下げていた銃口を再び上げる。

「あぁ、もう俺の方もあんたに用は無いな。」

ドン!

Model.29Reの銃弾は正確に目標を射殺する。目の前にいるクグツ・・・を遙か後方から狙っていたスナイパーを。

「・・・相変わらず良い腕前ですね。」

「・・・ちったぁびびってくれよ。こいつで貸し借りは無しだぜ。」

「いずれまた何かお願いする事もあるでしょう、その時はよろしくお願いします。それでは失礼。」

一礼をして立ち去るクグツ。・・・こっちももうこんな所に用はない自分の車に向かって歩き出す。

「さて、こいつをお嬢ちゃん達に渡してお仕事終わり・・・だと良いんだけどな・・・。」

自分の仕事運の無さにちょっとばかり不安になりながら・・・。

 


もう4話目になります、《難攻不落》っ!!!Top絵キャラSS。

今回はサークルの後輩ジーニアス君のキャラを借りての「カブトワリ」編。

その名も“西から来た男”我流西君でお送りしましたっ!

しかし・・・カブトワリがテーマのハズなのに、

《デグラ》(←《とどめの一撃・クーデグラ》の事ね。)の扱いが滅茶苦茶ついで・・・。(苦笑)

何かメインはユカワさんの《完全偽装》をカウンターする我流西の《真実》と言った感じ。

さて、我流西がGetしたデータクリスを持っていく先は何処なんだろう。何も考えてないや。(爆)

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