“ルインズフェイト”紗沙羅
ILLUSTRATION:犬夜雪 Thanks!
プレーヤー:犬夜雪 スタイル:フェイト◎・ニューロ=ニューロ●
犬夜雪さんのホームページ「わんこアイランド」へのリンク!
文章協力:犬夜雪
「ええと・・・ここは、こう。」
がこん
「こっちは・・・こうかしら。」
ピ・シュー
私は今、イワサキのLU$T支社アーコロジーに潜入中しています。・・・いわゆる「招かれざる客」として。
「・・・この扉の向こうには人が居るのね。・・・じゃぁ、こっちに。」
ノートタイプのタップを叩きながら、テクテクと廊下を歩く・・・何だかさっきから、ちょっとしたパズルを解いている様な気がして来たわ。
セキュリティのあまり深いところには入らず、ごく近い場所のカメラを乗っ取り安全を確認しつつ進む。意外と上手く行っているみたい。私はほっと、胸を撫で下ろした。
「ふぅ、メインフレームの中身を調べないことには、どうしようもないんですよね・・・。」
千早の代理人として動いてるって仰るトーキーさんが、「手の回らない所の調査を手伝って欲しい」とお願いされたので引き受けたんだけど・・・肝心のデータは物理切断されたメインフレームの中みたいなんですよね・・・。
「良し、この扉の先がメインフレームの制御室みたいですね・・・。」
中に人が居ないことは確認済み。む、と一度気合いを入れ直してからとびらをあけると・・・。
シュー
目の前には車一台分が入るガレージほどの大きさもある巨大なトロン。さ、お仕事お仕事。さっそくトロンに結線して検索開始・・・したのだけど・・・。
「あら・・・?データのアドレスが・・・これって、トロンのアドレスじゃない?!」
Ping
「・・・このデータにアクセスするには、IDによる認証が必要です。・・・あなたのIDを入力して下さい。」
「・・・!!!!」
イワサキの人工知能!噂には聞いていたけど、データを管理していたのは彼女だったの?!・・・でも、私だってお仕事できてるんですもの、大人しく諦めるわけには行かないわ。それに、これは大事な事よ。
「IDは持って居ません。でも、教え下さい。あなた方イワサキが開発させたDOMというトロンのデータを回収したでしょう?それをどうなさるおつもりなんですか?あれは・・・とっても危険な物なのですよ?!」
「・・・既にデータの解析は終了。これより改修を行った後、ウェブを通じて全世界に対し使用を開始します。」
「・・・!信じられない。あなた方は、神様にでもなるつもりなのですか?!」
その時、私の後ろから別の女性の声が聞こえた。肩越しにはっと振り向く。
「神になるのか、と言う問いにはNoね。私達が目指すのは、より効率の良い市場の開拓だわ。」
この人は・・・イワサキの女性社長!
「思っていたより可愛らしいネズミさんね。折角ここまでいらしたのだから、もう少しおもてなしをしようかと思うのだけれど・・・いかがかしら?」
しまった、囲まれてるわ・・・。どうしよう・・・。慌て手回りを見回してみると、未だにディスプレイに映る人工知能・・・そうだわ!
「え〜〜いっ!」
ザァッ・・・!!!
メインフレームの中を強烈なデータのオーバーフローが走り抜け・・・
バシューーーーッ!!!!
「何事?!」
女性社長が驚いた様子で周りを見回している。その隙に、巨大なトロンを仰ぎ見る。そこに映って居るのは私の”お友達”。
「さあ、私を安全なところまで案内してちょうだい!」
ゴウン・ガー
「待ちなさい!・・・何をしているの早くあの子を捕らえ・」
ガシュン
シャッターが閉じて女性社長の姿が見えなくなる。
ガコン! ガー・・・ バシュッ! ゴウン! ガリガリガリガリ・・・
今や、アーコロジーの至る所でスプリンクラーやシャッター、ドロイドやドローンの暴走が始まっていました。
「・・・はう、今の内に脱出しなくちゃ。」
私は外へ向けて走り始めた・・・。
むーん、未だに引っ張ってますねDOMの正体。(自爆)
もうそろそろ出さなきゃいけないってのは分かっているのですが・・・。
タイミングが掴めない・・・。登場するキャラもイラストが書き上がる順だし。
あぁっ、このまま行って、最後の26番目のスタイルがマヤカシとかだったらどうしよう?(核爆)